
New Phaeton
新しいフェートンが完成した。土地の土から作った石版で、いつか土地に還る? 言いたいことはたくさんあるけれど、そんなのSNSで説明しだして、古い戦友に見られたらもう終わりだと思っている。石版が台無しになってしまう。本当は、早く見せたくてうずうずしているのに。あの日獲ったヒラタクワガタを学校に持っていかなかったあの時と同じ気持ちだ。
承認欲求と自尊心。ほんのちょっぴりこぜりあい。
新しいフェートンが完成した。土地の土から作った石版で、いつか土地に還る? 言いたいことはたくさんあるけれど、そんなのSNSで説明しだして、古い戦友に見られたらもう終わりだと思っている。石版が台無しになってしまう。本当は、早く見せたくてうずうずしているのに。あの日獲ったヒラタクワガタを学校に持っていかなかったあの時と同じ気持ちだ。
承認欲求と自尊心。ほんのちょっぴりこぜりあい。
南フランス、アルプス山脈の麓の山間部で暮らす調香師と陶芸家。食糧は自身で森で調達し、電気もほとんど使わずに、自然界と会話し生活する。彼らからメールの返信が届くのは2ヶ月後。
そんな仙人は、
2007年、南仏でMAD et LEN (マドエレン)を創設し、ニッチフレグランスの世界に風穴をあけた。
昨年、一通のメールが来た。
仙人からだ。
いま、新しいフレグランスを作っている。使う香料は、「ミルラ、シダー、そしてオリスバター」だという。聖なる香たちではあるまいか。どうやらそれらは、古代とアクセスした調香の様子で、ボトルもすべて陶器でひとつずつ作り、スプレーノズルはない。興味はあるか?の問いに、実は我々も今、古墳を作っていると伝えると、なに?古墳?それはぜひ見てみたい。
先日、未完成の古墳フェートンを案内した。
古代にアクセスし、使う天然香料は、ほぼ地球そのもの。時空もルールも超えたフレグランスが誕生した。Ofumum ( オフマム ) 、古代のラテン語で「煙」だ。
売る場所も、ひとつの国で一カ所だけ。
それが最善のクリエーションだと、彼らはいう。
1カ国で1店舗、その浸透速度がまさに古代だし、それで生まれる輪。
そんな輪っかがいいと、私も思っている。
木型も、最上。製法も、最上。革も、最上。
そして、節度あるエレガンス。
自分の目で確かめて、財布と相談してください。
人は歳月とともに
自分なりの生き方を確立させていく。
自信がついてくる。
ときとして、そうなったとき、
自惚れのささやきが心を満たしてしまうことさえある。
そして、年配者になってくると言い訳が得意になる。それは戦争の始まりとも思う。
(おっと、それは後日。)
さて、今日の考察。
達人と無能力者は、よく黙る。