XI

Isabella Stefanelli season XI “Twogether” for PHAETON


Twogetherというコンセプトについてですが、いくつかの自分自身の考えやヴィジュアルのイメージが基になっています。どちらが先なのかと問われると、現時点ではどちらでもなく自然と、と言うほかありません。あえて言えば、Warp C素材が2つの異なるパートに分けられていると言う視覚上におけるコンセプトを最も明確に体現していると言えます。

コンセプトにつながる個人的な感情としては、Covidと言う困難を経て人々が一つになりたいという意志、事実私たちは皆一緒なんだと言う安心感、また自分自身の内面に潜む2つの自分を発見すると言う個人的な体験、そしてたとえ自宅に閉じ込められていても私たちは他人を感じると言うことが挙げられます。

さまざまな生地やヤーンのデザインを通じて、私たち自身の心の形や人々の持つ考えを視覚化することを目指しました。なので、タイトル自身が私たちが経験したことへの悲しみ、そして人と人が再会する旅路を表現するストーリーテラーでもあります。

 Stefanelli/イザベラ・ステファネリの詳細は、会員登録・ログインされたお客様のみご覧いただけます。
  • 1-2/2

Warp A


(ワープ/縦糸に使われているリネン素材が、ナチュラルダイにて、濃いベージュ、薄いベージュ、無染色に染め分けられて規則的に配置されている。主にアウター、jkの素材感)

Sospiro|(生地のデザイン全体であなたは一人ではないという人が持つ良心を表現しています。)温かみのある優しい色使い、波状のパターンの内部で2つの色目が重なり合っている。


Earth & Soul|魂とこの地球の繋がりを表現


Abbraccio|(2人の、または世界とあなたの抱擁)濃い暖かな色目と震えるパターン


In the woods|世界のどこかや土地を想像上で旅することを表現





Warp B


(ワープ/縦糸に使われているリネン素材が、ナチュラルダイにて、濃いベージュ、薄いベージュの2色に染め分けられて規則的に配置されている。主にJKの素材感)

at the palace - ionico dorico corinzio|過去への驚異。私の兄が机に建築の本を広げて、柱のデザインをドローイングしながら勉強していたことを思い出します。私たちは今でもその当時のことを話します。それは驚異の時間です。旅人になり、過去を見通します。ギリシャ建築への想像上の旅路です。南イタリアのプーリアでは、伝統建築から言語まで、ギリシャの影響を強く受けています。実際いつくかの村ではギリシャ語が方言として使われています。


In the Farm|農場での一日、自然とのふれあい、農民や魂を感じるスローライフ、それらは私の愛するものです。


To the fair|農民として最善の洋服屋ドレスを選ぶこと。とても遠くの小さな村の市場を歩くことを想像してみました。そこでは彼らの色使いや感情表現、興奮を見ることができます。これは同時に英国紳士にもリンクしており、彼らのアイロニーやダンディズムを表現しています。


Middle East|宗教的に独自の伝統を残す中東の市場にて、その文化を見たり触れたり。煌びやかな文化に鋭くフラットな見え方がそこにはあります。手作業にて削り出した非常に装飾的な壁に、支配的に存在する白、そしてそのリネン素材。それらもまた私の文化、その伝統やテイストの両方に置いて、色濃い影響を与えています。この生地はそういった中東の国々への訪問を表現しています。





Warp C


(ワープ/縦糸に使われているリネン素材に無染色のみ使用している。主にライトJKやトップスの素材感)

Walking men|イメージとしては沢山の人々が集まり、歩いている中で見える幾つものトラウザーを履いた足です。ですので、突如として旅する中で周りを見渡した際に見えた無数の足、という感じです。


Intimacy|これは反射の瞬間を捉えたものです。心がリラックスした状態なので、白く軽やかなパターンの形をしています、つまり垂れ幕のような。私は以前部屋の全てを白い生地で覆ったことがあります。(自分がリラックスするために全ての家具に白いベッドシーツをかけたことが思い出されます。)それだけが当時唯一心を落ち着かせる方法だったんです。これはまた2人の話、そこで交わされる親密なトークのイメージでもあります。


A- Maze-in|これは自分の心が落ち着いている状態で見出されたものです。心に存在する思考を見ていくと、心そのものが美しい秘密の迷路(maze)であると気付き、それは文字通り自分の内面で起きていることです。(in)


about blueish|これは水、そして海、また広くとても深い感情、そして軽やかさをイメージして。それらは旅路の最後にもたらされる感情の浄化です。


after wash|これは体の最終的な浄化、そして生地で包まれた大きな洗面器の横に腰掛けながら得られるピースフルな感情にリリースをイメージしています。





Knitwear


ニットウェアに関しては、アラン諸島に伝わる伝統的なフィッシャーマンニットをベースに。寒い海の上で得る暖かな感情。女性たちが旦那さんへ手編みするプルオーバー。働き手をケアする人生は、私の魂の一部です。

私はより気持ちの良いものを欲しかったし、そのために英国の古い街を旅しました。そして遂に心に響く小さな店を見つけ、私はゆったりとしたプルオーバーとヨウジさんへの小さなニットジャケットを買いました。編み立てとアラン諸島伝統の柄は感情に語りかけ、それぞれに意味を持っています。またある意味私自身の生地とも関係性を見出すことができるし、その関連したアイディアを生地作りに活かしました。今回のニットコレクションはより厚手で、気持ちの良いものに仕上がっています。私はかなり大きなサイズの古着のアラン編みのプルオーバーを持っていて、それを冬の間中頻繁に着ていました。シェトランドウールは少々の雨は弾くので、英国特有の小雨模様には最適な一枚で、よく友達にそれで寒くないの?と聞かれていましたが、その度に全然大丈夫、とても暖かいですと答えていたものです。

私はアラン編みや柄の入ったニットが大好きなので、自分の生地デザインから抜き出したパターンを使って独自に編み立て柄を開発し、それを今回のニットコレクションに使っています。

襟やリブ、ボディの一部には私の千鳥格子柄から転用したデザインを用いた仕様を用意しましたが、私が鉤針編み使用のデザインを起こしたのに対して、ニッターが当時丸編み棒で製作した関係で、ニッターが仕様を読み違えています。 またニッターに幾つかのテーラリング生地を連想させる編み地を探すのを手伝ってもらいましたので、すでに現存するアラン編みのデザインからそういう編み立て柄を取り入れたりもしています。

私は幼い頃に編み物をしていましたし、刺繍もしていました。なので自分が基本をわかっていると思っていましたが、今はそれを異なる面から見ています。というのも自分の機織りの経験から柄の動きが読めるようになっているので、基本とは異なる方法で発展させました。つまり自分にはすでにもう一つの視点が備わっていて、自分が編み立てのデザインを出来てしまう事にとても驚きました。編み立てと機織りはそれぞれが異なる言語を持っていますが、私はそのどちらも愛しています。

ニットウェアのパッチワークはもちろん生地と同じように、Twogetherのコンセプトを象徴するものです。





LEATHER BAG


イタリアの名門タンナーのベジタブルタンニング・カーフレザーのヌメのみを使用し、自身が培ってきたテーラリングテクニックや縫製方法を用いて全ての工程を手縫いで行なっていること、そして商品に用いるパーツの全ても彼女自身の手によって加工や成形されたものであることが特徴としてあげられます。今シーズンは、異素材の組み合わせと配分が特徴です。

自身で洗いをかけてフェルティングした生地をベースにして底面や側面などのパーツにレザーを使うことで、ソリッドなレザーのテクスチャと生地の温かみのある質感のコントラストを表現しています。また、リバーシブルで使えるのも嬉しいポイントです。

Handleshop、Duffle, Sac, Sachet という今シーズン発表された全モデルをベースに、組み合わせて使う生地を御社別注仕様にてイザベラの手機生地を中心に製作しています。

Isabella Stefanelli/イザベラ・ステファネリの詳細は、会員登録・ログインされたお客様のみご覧いただけます。